Work03

高透明シートを反転印刷で。
透明アクリル看板で、
店舗に新しいシンボルを。

| 渡辺 浩平

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ファクトリーのスタジオに佇む完成した透明フラットパネルスタンド看板
Goal

印刷データを反転させて、裏から貼って表から見た時にグラフィックが8mm厚の透明アクリル板に浮かび上がる、存在感のあるスタンド看板を製作する。

サインモールオリジナル製品「フラットパネルスタンド」を使用し、透明アクリル面板ならではのクリアな質感を100%活かしたスタイリッシュな店舗看板を形にします。

STEP1

高透明の看板用シートに、データを反転させ、カラーインク・白インクの順に刷り重ねます。

今回の透明フラットパネルスタンドは、アクリル板の表面ではなく、裏面からグラフィックシートを貼り付ける「バックプリント(裏貼り)」構造を採用しています。そのため、大型インクジェットプリンターを動かす際は、あらかじめデザインデータを左右反転させた「鏡像」の状態で、透明度の極めて高い高透明塩ビシートへと出力を行います。なお、この高透明シートへの白インク印刷は、看板印刷・大判出力からシート単体でもご注文いただけます。

完全なクリアタイプのアクリル看板は背景がそのまま透けてしまうため、カラーインクだけではステンドグラスのように半透明になってしまい、文字や写真が見づらくなってしまいます。そこでデザインの背後にホワイトの層を設けることで、しっかりとカラーインクが透けることなく印刷されるようになり、繊細なサロンメニューや小さな文字情報でも背景に埋もれることなく、くっきりと浮かび上がる抜群の視認性と発色を確保しています。こうした透明看板ならではの見せ方は、透明看板を使ったネイルサロン向けのデザイン例でもご覧いただけます。

  • カラーインクの背面に白インクが重なって定着していく積層印刷の様子

    カラーインクが刷り上がった直後のシート面へ、同じヘッドで追いかけるように「白インク」を重ねていく積層印刷(2層印刷)を施します。

  • 印刷が完了し作業台の上に広げられた高透明インクジェットシート

    印刷が完了すると、アクリルの美しい光沢を裏側から支える、発色の鮮やかな専用グラフィックシートが仕上がります。

STEP2

微細なチリの混入を防ぐため、アクリル板とシート裏面を何度もウエット清掃します。

印刷工程が終わったら、土台となる8mm厚の透明アクリルキャスト板の準備に移ります。透明アクリルスタンド看板のクオリティを最も左右するのは、貼り込みの瞬間に面板とシートの間に挟み込まれる、空気中の目に見えないホコリや服の糸くずを「いかにゼロに抑えるか」という下地作りにあります。クリア素材はわずかコンマ数ミリの異物が混入しただけでも、光の屈折によって数倍の大きさの影となって浮き彫りになってしまうため、通常の看板製作よりもはるかに厳格なウエット清掃が必要となります。

まず作業台の上に極厚アクリル板を広げ、薄い中性洗剤を混ぜた水を霧吹き(スプレー)でたっぷりと全面に吹き付けます。そこから工業用の柔軟な窓用ワイパー(スクイジー)を使い、水分と一緒にアクリル表面のチリや目に見えない微細なゴミを完全に外側へと切り落としていきます。この「施工液を噴霧してはワイパーで水を切る」という一連の動作を、下地が100%クリーンになるまで何度も繰り返します。さらに、これから貼り付けるインクジェットシートの裏面側にも同様の処理を行い、剥離紙を剥がす際に発生する静電気によるホコリの吸着を物理的にシャットアウトします。

STEP3

アクリル板の角とシートのフチを重ね合わせ、貼り付け位置を正確に割り端します。

下地清掃が完了したアクリル面板の上に、まだ離型紙(裏紙)がついた状態のインクジェットシートをそっと載せ、貼り付けのマーキング位置を割り出す位置合わせを行います。透明アクリルスタンド看板はその構造上、仕上がったあとにアクリル板の四方のエッジ(断面)から光が透過します。そのため、四辺の透明な余白(クリアランス)が少しでも傾いていたり、左右非対称になっていたりすると、ズレが非常に目立ってしまいます。金定規をあてがいながら、デザインのフチとアクリルの外形ラインが完全に並行を保っているかを何度も厳密に目視確認していきます。

お客様のデータ通りの美しい店舗サインとして再現するために、アクリル板の角とグラフィックシートの端を正確にシンクロさせるこのプロセスは、一発勝負の貼り込みを成功させるために絶対に妥協できない極めて精密な前段取りです。

STEP4

水残りや水垢を防ぐため、あえて高難度の「空貼り」で気泡なく精密に圧着していきます。

位置が確定したら、いよいよ最も高い集中力を要するシートの貼り込み(本番)です。透明アクリル看板の製作において、サインモールのファクトリーが最もこだわっているのが、シートの粘着面に水を一切つけずに貼り付ける「空貼り(ドライ施工)」を選択している点です。水を媒介させるウエット施工を行えばシートを滑らせて位置調整ができるため難易度は下がりますが、経年変化によって透明アクリルと糊の間にわずかな「水残り」や「乾燥痕(水垢のような白いモヤ)」が発生し、アクリル特有のクリアな美しさを損ねる「シルバリング現象」のリスクが残ってしまいます。そのため、サインモールでは屋外での長期利用を見据え、一発勝負の高難度な空貼りを標準施工としています。

シートの剥離紙を少しずつ均一に剥がしながら、フェルトで保護された専用の施工用ヘラ(スキージー)を使い、アクリル板に対して一定の角度と等分な圧力を掛けながら密着させていきます。ただし、高透明塩ビシートの表面は非常にデリケートでヘラ擦れによる傷がつきやすいため、スキージーが直接滑る「シートの表面側(印刷面)」にだけ、潤滑剤として霧吹きで薄く水を吹き付けます。これにより摩擦抵抗を極限まで減らし、極厚アクリル板のエッジの端までシワや気泡(エアー)、および摩擦傷すら一切残さないフラット面板を職人の手技で圧着していきます。

STEP5

目視では判別できない極小のホコリを、指の腹の繊細な感覚で検知します。

シート全体の貼り込みが完了した直後、サインモールの現場では「触読検査(タッチチェック)」と呼ばれる厳格な検品プロセスを実施します。作業台の上に寝かせた面板に対し、職人が自らの手のひらと指の腹を滑らせるようにして、アクリル面板の端から端までを丁寧に確認していきます。

透明アクリル板をベースにしたサインは光が表裏に透過するため、作業中にアクリル板の表面へ一時的に乗っただけのゴミなのか、あるいはシートの粘着面に巻き込んでしまったホコリなのか、人間の目視(視覚)だけでは判別がつきにくい場合があります。だからこそ、機械のセンサーをも超える「人間の指先の触覚」を研ぎ澄まし、シート表面にコンマ数ミリでも不自然な盛り上がりや凹凸(ブツ)がないかを徹底的に探ります。この手のひらによる触覚検品によって内側のクリーンさを確認し、合格したものだけが次の加工ステップへと進みます。

STEP6

剥がれや浮きのリスクを無くすため、余分なフチのシートをカッター1本で切り落とします。

触覚検査を無事にクリアしたら、アクリル面板の外周からはみ出している余分な高透明シートをカットするトリミング作業に入ります。1枚の大きなシートからアクリル板の輪郭を切り出すように、カッターナイフの刃先をアクリル板の厚み(8mm)の側面にピタッとあてがい、アクリル自体のコグチを定規代わりのガイドにしながら、手元を安定させて滑らかに裁断していきます。

もし外周のカットにわずかでも切り残しや、外側へのはみ出しがあると、お店の前や屋外に設置されたあとに太陽光の紫外線や雨水がその隙間に入り込み、シートが端から浮いてくる劣化原因になります。フラットパネル特有の、四隅が丸く加工されたR(コーナーアール)部分も、刃先の角度を正確にコントロールしながらカッターを使ってなぞり切り、アクリルの外縁ラインに合わせて仕上げます。

STEP7

施工に使用した水分や汚れを綺麗に拭き取り、透明アクリルの面板が完成します。

すべてのフチカット作業が終了したら、面板製作の最終仕上げとなるクリーンアップ(清掃)に入ります。空貼りの施工中にシート表面の保護としてスプレーしたわずかな水分や、作業中に触れた手の跡、目に見えない手垢(油分)などを完全に除去するため、アクリル専用の高密度ウエスを使って、表示面(アクリル表面)を丁寧に拭き上げていきます。

続いて面板全体を反転させ、積層印刷されたグラフィックシートが密着している裏面側も同様に、ムラや拭き残しがないようにしっかりとウエスを滑らせます。表裏の油分や水分を完全に取り除いていくことで、8mm厚アクリルキャスト板が持つ特有の、光を透過・屈折させる透き通るようなクリアな質感を活かした、フラットパネルスタンド看板用の透明アクリル面板が完成します。

Finish

透明アクリルが空間に溶け込む、フラットパネルスタンド看板が完成しました。

洗練されたサロン空間やこだわりのショップファサードに調和する、透明アクリル仕様のフラットパネルスタンド看板の完成です。

ファクトリーのスタジオ内に設置されたスタンド看板は、周囲の背景やインテリアを透過させつつ、8mmの厚みを持ったアクリルキャスト板特有の光の屈折と、滑らかに面取りされたコグチ(エッジ断面)によって、店舗の前に馴染むクリアな佇まいを見せています。アクリル板の裏側から反転印刷を施したことで、正面から看板を見たときにグラフィックデザインや写真に奥行き感が生まれています。印刷ヘッドを往復させて白インクの層を裏側にしっかりと仕込んでいるため、繊細な細い英字フォントや細かなサロンメニューの価格数字も、背後の景色に埋もれることなく、パッと一目で読める高い視認性とコントラストを発揮しています。

この厚みのある透明アクリル面板を足元で支えるのは、サインモールが設計した特製の「フラットパネルスタンド」専用スチール製ベース(マットブラック粉体塗装)です。重量のあるアクリル面板を低重心でしっかりと下部から挟み込んでボルト固定する構造になっており、無駄なフレームを削ぎ落としたミニマルな細身のデザインでありながら、屋外の風にも耐えうる安定性とスチールならではの頑丈さを両立させています。

すっきりとしたスマートな縦長(W370×H1200mm)の製品スケール感は、路面店の店舗入り口やテナントの共有スペースに配置した際にも、周囲に圧迫感を与えません。先にご紹介したとおり屋外の風雨に耐える設計のため、屋外用スタンド看板としても安心して設置できます。それでいて、通る人の視線を留める案内看板(アイキャッチ)として機能します。透明素材特有の物理的な性質を理解し、ホコリや擦り傷、および微細な水垢すらも製造プロセスから徹底的に排除する職人の実直な段取りが、このスタンドサインの細部にまで反映されています。

Contact & Order

さぁ、フラットパネルスタンドで
店舗のシンボル看板を作りましょう。

イメージが固まっていても、まだぼんやりしていても大丈夫です。デザインのご相談から、無料のデータチェックや素材選びまで、看板づくりのすべてを私たちがワンストップでサポートいたします。「こんなクリアな看板作れる?」のひと言からで構いません。
まずはお気軽にご相談ください。スタッフ一同、こころよりお待ち申し上げます。