営業中を、美しい光で。
お客様をお店へいざなう
エレガントな電飾スタンド看板を。
| 渡辺 浩平
エレガントな灯りで「営業中」を伝える。明るく美しい光でお客様をお店へいざなう電飾スタンド看板を作る。
日が暮れた店先で、お店の「営業中」をいちばん優しく伝えてくれるのが電飾看板です。今回は、小型LED電飾スタンド看板の定番「ADO-207T-LED」に、サインモールの看板デザイン集からスナック向けデザイン2種を両面に貼り込んで、一台の看板に仕上げるまでの工程をご紹介します。表と裏であえて明るいデザインと暗いデザインを選び、光らせたときの見え方の違いも合わせてご覧いただきます。シートの印刷から、電飾ならではの「水貼り」、本体の組み立てまで、ファクトリーの製作工程を順にお届けいたします。
今回使用する看板・印刷のご紹介
STEP1
点灯したときに狙い通りの色になるよう、乳半塩ビシートに濃い目に印刷します。
電飾看板のシート印刷には、光をきれいに透かす「乳半塩ビシート」を使います。乳白色の半透明なシートで、内側からの光をムラなく拡散してくれる、電飾看板の定番素材です。
印刷を担当するのは、大判溶剤インクジェットプリンター「EPSON S80650L」です。ここで電飾看板ならではの大切なポイントがあります。電飾看板は、内側から強い光が透過したときに狙い通りの色になるよう、通常よりも濃い目に印刷するのです。とても濃く刷るため、光っていないときは全体が濃く(暗く)見えるのが電飾看板の特徴です。その代わり、点灯したときには光にインクが負けて白飛びすることなく、くっきりはっきりと鮮やかな発色になります。昼の見た目ではなく、夜に光った瞬間を基準に色を作るところが、電飾看板の印刷と普通の看板の印刷の大きな違いです。
今回印刷するデザインは、サインモールの看板デザイン集から2種類。明るい色合いの「No.228 優雅な花モチーフのスナック向け看板デザイン例」と、暗い色合いの「No.226 光のきらめきが美しいスナック向け看板デザイン例」です。プリンターの中で2つのデザインが並んで刷り上がっていく様子は、何度見ても気持ちの良い瞬間です。なお、こうした乳半塩ビシートへの印刷は、看板印刷・大判出力としてシート単体でもご注文いただけます。
STEP2
電灯やヘッドライトの反射で白飛びしないよう、マット調のUVカットラミネートを圧着します。
印刷が刷り上がったら、シートの表面にラミネート加工を施します。使うのは、UVカット機能付きの塩ビシート用ラミネートフィルムです。紫外線からインクを守って色あせを防ぐと同時に、表面の傷や汚れからも印刷面をガードします。
サインモールでは、電飾看板のラミネートに「マット調(つや消し)」を標準で採用しています。表面に光沢があると、夜の店先では電灯や車のヘッドライトの光が板面に反射して、白飛びしたように見えてしまうことがあるためです。マット調なら光の反射を抑えられるので、どの角度から見ても文字やデザインがすっきりと読み取れます。電飾看板は夜に見られてこそのものですから、視認性を最優先にした標準仕様です。
STEP3
表示面板のサイズや形に合わせて、ZUNDでシートを正確に切り出します。
ラミネートまで終わったシートを、表示面板に合わせたサイズに切り出します。使うのは、スイス製のデジタルカッティングマシン「ZUND」です。印刷データと同じ座標で刃が走るため、2つ並んだデザインをそれぞれ寸法通りに、まっすぐ正確に切り分けることができます。
今回のADO-207は、四隅に丸みを持たせたデザインの看板です。そのためシートも、周囲をまっすぐ切り出すだけでなく、四隅を角丸にカットしています。ZUNDはアルミ複合板などの板材のカットにも使われるマシンですが、こうしたシートの角丸まで、なめらかに正確に切り出せる守備範囲の広さが特徴です。精密なカットで、ADO-207ならではの角丸の柔らかい雰囲気を、シートでもしっかり表現しています。
このあとの貼り込みは、表示面板とシートのフチの空き具合をそろえながら進めていきます。切り出しの段階で寸法が狂っていると、あとの工程すべてに響いてしまうため、ここで正確に切っておくことが仕上がりの土台になります。
STEP4
表示面板を取り出すため、看板本体を開梱してフタフレームを取り外します。
シートの準備ができたら、看板本体の出番です。届いた箱を開けると、ビニールで包まれた本体と、スタンド脚、取扱説明書が収まっています。本体を傷つけないよう、丁寧に取り出していきます。
この看板は、乳白色のアクリル成型板でできた「表示面板」が、アルミフレームの内側にセットされた構造です。シートは表示面板を取り出して単体の状態で貼り込むため、取扱説明書の手順にそって、上部の「フタフレーム」を留めている小ねじ4本を電動ドライバーで外し、プロテクターとフタフレームを上方へスライドさせて取り外します。これで表示面板を上に引き抜ける状態になりました。組み立ての逆の手順を最初に行うかたちですが、表示面板を平らな作業台に寝かせて貼れるようにするための、大切な段取りです。
STEP5
点灯したときのホコリの影を防ぐため、乳白アクリル表示面板を丁寧に清掃します。
本体から取り出した表示面板は、乳白色2mmのアクリル成型板です。シートを貼る前に、この表示面板を念入りに清掃します。
電飾看板は内側から光を当てるため、表示面板とシートの間に小さなホコリや糸くずが挟まっていると、点灯したときにそれが影となって浮かび上がってしまいます。昼間はきれいに見えても、夜に光らせた瞬間に影が目立ってしまうのです。そこで、霧吹きで水を吹き付けながら表面の細かなチリを押し流し、ウエスで丁寧に拭き上げていきます。フチの立ち上がり部分までしっかり拭き取り、曇りのない状態に仕上げてから、次の貼り込みへ進みます。
清掃に使うのは、水だけです。アルコール系のクリーナーは、アクリルの成型板とは相性が悪く、付着すると表面が白く曇ったり、細かなヒビ(ケミカルクラック)が入ったりする恐れがあるため使いません。素材に合わせて、シンプルな水拭きで仕上げるのがいちばん確実です。
STEP6
貼る位置をぴったり決めるため、シートを表示面板に合わせて裏紙をカットします。
清掃を終えた表示面板の上に、切り出したシートを載せて位置を合わせます。上下左右のフチの空き具合が均等になるよう細かく調整し、位置が決まったら木製の丸いおもしを載せて、シートが動かないように固定します。
次に、シートの端を少しめくり上げて裏紙(離型紙)を折り返し、折り返した部分だけをハサミで切り落とします。いきなり全面の裏紙を剥がしてしまうと、貼るまでの間にシートが動いて位置ズレの原因になるためです。まずは半分だけ糊面を出して、半分ずつ貼り進められるようにしておきます。ここまでが貼り込み前の段取りです。
STEP7
位置の微調整がきく「水貼り」で、シートを表示面板に貼り込みます。
貼り込みは「水貼り」という手法で行います。表示面板とシートの糊面の両方に、霧吹きで水を吹き付けてから貼り合わせる方法です。水の膜があるうちはシートを滑らせて動かせるため、一発勝負で貼り付けるリスクを避けて、ベストな位置へ微調整しながら貼ることができます。水貼りの詳しい理屈は、行灯看板のワークでもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
このとき使う水には、ほんの少しだけ洗剤を混ぜてあります。数滴入れるだけでシートの滑りと水抜けが良くなり、施工性がぐっと上がるのです。
貼り込みは、裏紙を剥がした前半分から始めます。まだ貼らない側にはおもしを載せたままにしておけるため、シートがずれず、正確な位置のまま貼り始めることができます。位置が決まったら、フェルトの付いた青い大きなスキージーで中央から外側へ水分を押し出していきます。水と一緒に空気も抜けていくため、シワや気泡を残さずに密着させることができます。フチや細かい部分は、ゴム製のオレンジ色の小さなスキージーに持ち替えて、丁寧に追い込んでいきます。
STEP8
残りの面も水を押し出しながら、フチまでしっかり密着させます。
前半分を貼り終えたら、残り半分です。シートをめくり上げて後半の裏紙を剥がし、糊面に施工液を吹き付けてから、同じように水を押し出して貼り込んでいきます。このときには、すでに前半分が表示面板にしっかり貼り付いているため、シートの位置がずれる心配はありません。
水貼りで大切なのは、水分を完全に絞り出すことです。表示面板とシートの間に水が残ると、乾いたあとの水垢が点灯時に内側から透けて見えてしまうことがあるためです。青いスキージーで大きく水を抜き、オレンジのスキージーでフチまで追い込んで、隅々まで吸い付くように密着させて貼り込みは完了です。
STEP9
手のひらで触れ、光に透かして、異物や気泡がないか検品します。
貼り込みが終わった表示面板を持ち上げて、照明の光に透かしながら検品します。電飾看板は点灯したときに、表示面板とシートの間のわずかな異物や気泡がそのまま影になって現れます。作業台の上では見えなかった小さな影も、光に透かすとはっきり分かるのです。
検品は目で見るだけではありません。サインモールでは貼っている最中も貼り終わった後も、常に手のひらで表示面を撫でるように触れて、異物の混入や水の抜け残りがないかを確かめながら作業しています。目視での検品はもちろんですが、指先の感覚を頼りにした触覚での検品も、大切な作業の一環なのです。
異物がないことを確認したら、作業中に付いた手の跡や水分をウエスで拭き上げて、1面目の表示面板が完成です。
STEP10
もう一面は、対照的な暗めのデザインで製作します。
続いて、裏側の表示面板です。工程は1面目とまったく同じで、位置合わせ、裏紙のカット、水貼り、検品と進めていきます。
こちらの面に貼るのは、暗い色合いの「No.226 光のきらめきが美しいスナック向け看板デザイン例」です。1面目の明るいNo.228とはあえて対照的なデザインを選びました。同じ看板でも、明るいデザインと暗いデザインでは光ったときの見え方が大きく変わります。その違いを、このあとのFinishでご覧いただきます。
ここでひとつご案内です。サインモールでは、両面印刷で表と裏のデザインが異なっても、印刷費は変わりません。デザイン変換費用などもかかりませんので、思い切って片面ずつ違う内容にしていただいて大丈夫です。昼向けと夜向け、案内用とメニュー用など、両面を自由に使い分けられるのは両面看板ならではの楽しさです。もちろん片面印刷も大歓迎で、その場合は費用が割安になります。
STEP11
スタンド脚と本体を組み立てます。
表示面板が2枚ともできあがったので、看板本体を組み立てていきます。まずはスチール製のスタンド脚を組み、レンチとドライバーでしっかりと固定します。
本体の内側には、光源となる直管LEDランプが1灯収まっています。この看板は付属の電源コードをコンセントに差すだけで点灯するため、電気工事は必要ありません。消費電力は12Wと、毎晩灯していても負担になりにくい省エネ設計です。
STEP12
2枚の表示面板を本体にセットして、固定したら完成です。
最後に、仕上がった表示面板を本体に組み込みます。フタフレームを外した状態のまま、明るいデザインの表示面板と暗いデザインの表示面板を、表と裏にそれぞれ上からスライドさせて差し込みます。2枚が収まったら、プロテクターとフタフレームを元に戻して小ねじで固定します。
STEP4で外した手順を、今度は表示面板入りで組み直すかたちです。ねじを締め終えたら、ぐらつきがないか全体を確認して、組み立てはすべて完了です。
明かりを灯して、昼と夜の2つの表情を確かめます。
コンセントを差して点灯し、仕上がりを確認します。
まずは明るいNo.228の面からです。白地にバラの花が浮かび上がり、表示面板全体が柔らかく発光して、上品で華やかな表情になりました。続いて暗いNo.226の面は、夜空のような地色の中で文字と光の粒がくっきりと際立ち、しっとりと落ち着いた大人の雰囲気です。同じ看板・同じ光源でも、デザインの明暗でここまで印象が変わります。
STEP1で濃い目に印刷した効果も、ここではっきり分かります。強い光に透かされても色が飛ばず、バラの色も細い文字もくっきりと読み取れます。消灯時にはやや濃く落ち着いて見えて、点灯した瞬間に鮮やかさが立ち上がります。この昼と夜の切り替わりこそ、電飾看板のいちばんの魅力だと私たちは思っています。
夜の店先でこの明かりがお客様を出迎えて、「営業中」を優しく伝えてくれる場面を思い浮かべると、やはり嬉しいものです。
さぁ、夜のお店の顔になる
電飾看板を作りましょう。
今回ご紹介したLED電飾スタンド看板は、本体と印刷貼込をあわせてウェブからご注文いただけます。デザイン集のテンプレートを使えばデザイン費も抑えられますし、もちろんお客様のオリジナルデザインでの製作も承ります。イメージが固まっていても、まだぼんやりしていても大丈夫です。「こんな看板作れる?」のひと言からで構いません。
まずはお気軽にご相談ください。スタッフ一同、こころよりお待ち申し上げます。






























































