サインインフォメーションを成功させる5つのポイント

サインインフォメーションを成功させる5つのポイント

サインインフォメーションの目的は、
人の安全で円滑な行動を支援する」ということです。

看板や標識を使用したサインインフォメーションは、ひとつのロケーションの中でそこを行き交う人々が円滑に混乱なくスムーズに移動、活動するために欠かすことのできないガイドになります。

サインインフォメーションがなければ、目的地の場所までの経路が分からずに混乱したり、トイレや休憩所を探して歩き回ったり、禁止行為を行ってしまったり、危険な場所に立ち入ってしまったりと、大げさに言えば、目隠しして歩いているようなものになってしまいます。

初めて行った場所でもある程度看板や標識に従って行動できるのもサインインフォメーションが正しく機能しているからに他なりません。逆に「迷ってしまった」、「目的の場所が分かりづらかった」という場合は、サインインフォメーションが正しく機能していません。

では、サインインフォメーションが効果を発揮させるために必要なことはなんでしょうか。以下に5つのポイントを上げてご紹介させていただきます。

サインインフォメーションに欠かせない5つの要素

サインインフォメーションに欠かせない5つの要素

出典:公共交通機関旅客施設のサインシステムガイドブック
(財)交通エコロジー・モビリティ財団


単純性

シンプルなサイン

サインインフォメーションはぱっと見ただけで内容が理解できるほどシンプルである必要があります。通行人は歩きながら看板を見ますし、車の運転手は運転しながら標識を見ます。立ち止まって読み砕かないと理解できないような複雑な看板では人や車の流れを円滑に導くことはできません。

上手にピクトサインを使用することで外国人や子供でも看板の意味を理解する手助けにもなります。

複数の情報を一つのサインの中に入れるのではなく「1サイン=1情報」のつもりで表示する看板を考えるとスッキリしたシンプルで分かりやすいサインを作ることができます。


明瞭性

はっきり見える(読める)サイン

印刷が色あせて薄くなってしまったサインは利用者にとって不親切なサインになります。または泥や埃などの汚れによってサインの一部が見えなくなってしまったような看板も利用者には不親切なサインになってしまいます。

同様に、文字が小さくて看板の近くまでいかないと読めないような看板も利用者の混乱を招きます。設置場所と利用者との距離を想定した適切な文字の大きさが必要です。※リンク参照 また、サインの配色、下地と文字の明度なども明瞭性を高める大事な要素になります。 目の不自由な方、色弱の方にも配慮した見やすく読みやすいサイン作りにしましょう。

さらには、音声によるガイドも大切なサインインフォメーションです。 サインと併用して利用者のサインの理解を深めるサポートをしたり、目の不自由な方には大切な情報になります。適切な音量で聞き取りやすいアナウンスが求められます。


連続性

連続的に繰り返し表示する

どんなに良いサインでも一箇所にしか表示されていないのであれば見落とされてしまう可能性があります。またはそのサインの指示で移動している最中に正しく行動できているのか不安になるかもしれません。

利用者を正しく誘導するためにはサインを繰り返し表示する必要があります。

スタート位置とゴール地点があるならその間に「ゴールまで⚪︎m」と表示することで迷わず利用者を導くことができます。

「繰り返し表示する」これもサインインフォメーションの大切な要素です。


統一性

同じ様式のサイン

移動するたびにサインのデザインが変わってしまうと利用者は別々のサインとして認識してしまうかもしれません。

そして最初に見たのと同じ様式のサインを探してしまうかもしれません。

ひとつの施設や場所で使用するサインは統一したデザイン(配色、フォント、バランス)で作成する必要があります。


システム性

サイン相互の関係性を調整する

サインひとつひとつが情報ですが、そのサインが全体で機能するようにしなければなりません。

サインは役割に応じて以下のように分類されます。

原則的な情報ニーズと基本的なサイン機能種別

誘導サイン 施設の方向を示すサイン
位置サイン 施設の位置を示すサイン
案内サイン 位置の関係を図解するサイン
説明サイン 条件を説明するサイン
規制サイン 行動を規制するサイン

例えば、「誘導サイン」の先には、「位置サイン」が必要です。

目的地へ歩いてくる利用者に目的地を知らせる必要があります。
このようにサインはひとつだけ(一箇所だけ)で完結できるものではなく相互に補完し合うことによって円滑な誘導や安全な行動に寄与することができます。


東京駅の誘導サインの例

試しに、東京駅のプラットフォームからトイレまでスムーズにたどり着けるのか、誘導標識を追って向かってみました。

スタート地点

トイレまで120m

まずはプラットフォームの階段上部にある看板にトイレの表示がありました。

案内サイン トイレまで120m

トイレまで100m

プラットフォームの階段を降りた下部の案内サイン。トイレは右側100mの箇所にあるようです。

案内サイン トイレまで100m

トイレまで100m(2)

プラットフォームの階段を降りた所にも案内サインがあります。道順は同じでトイレまでは100mです。

案内サイン トイレまで100m(2)

トイレまで65m

歩き始めると天吊りサインにトイレの表示が。あと65m。

案内サイン トイレまで65m

トイレまで45m

さらに歩き続けると次のサインが。「下る・45m」トイレに行くためには下る必要があるようです。

案内サイン トイレまで45m

トイレまで25m

コンコースを下る階段の上部に次のサインがありました。トイレまでは25mです。

案内サイン トイレまで25m

トイレまで10m

コンコースを降りた箇所にもサインが出ています。トイレまではあと10m、もうすぐです。

案内サイン トイレまで10m

トイレに着きました。

駅のホームから120mの間に7箇所もトイレの誘導サインがあるおかげで迷わずたどり着くことができました。

案内サイン トイレまで0m

1日100万人以上が利用する東京駅。
もしサインが少なかったり、わかりづらかったりしたら大変な混乱が生じてしまいます。 実際に歩いてみると、非常に分かりやすく上手にサインインフォメーションが機能していることが分かりました。
(トイレも無事、間に合いました。)


いかがでしたでしょうか。
今回はサインシステムに欠かせない5つのポイントについて取り上げました。

新設される施設はもちろん、既存の施設でも今回ご紹介した5つのポイントを活用してみてはいかがでしょうか。