標識(看板)の文字はなぜ、ゴシック体が多いのか?

標識(看板)の文字はなぜ、ゴシック書体が多いのか

皆様の周りにある看板・標識に使われるフォントは、明朝体とゴシック体、どちらが多いでしょうか。

おそらく、ゴシック体ではないかと思います。

では、なぜゴシック体の方が多いのか。
なぜゴシック体は明朝体に比べて看板・標識に適しているのか、両フォントの違いと効果など、 看板・標識などのサインインフォメーション作成時に気を付けたい注意点に関して考えてみましょう。

書体の紹介

ゴシック体

ゴシック体とは、ほぼ同じ太さの線で書かれた書体のことを指します。太くてインパクト(力強さ)のある表現ができるので印刷物の見出しに使われることも多いです。

以下のフォントは、看板・標識制作でよく使われる「新ゴ」の一例です。
新ゴには細い方から順にL、R、M、B、Uと5種類のファミリー(太さ違い)があります。

新ゴ ファミリー

明朝体

明朝体とは、横線が細く、縦線は横線よりも太くて文字のはね、とめ、はらいなどの飾り(セリフ)が表現された書体。新聞や小説など印刷物の読み物に多く利用されています。

以下に、明朝体の代表フォント、リュウミンのサンプル文字を掲載しています。
リュウミンも新ゴ同様、細い方から順にL、R、M、B、Uと5種類のファミリー(太さ違い)があります。

リュウミン ファミリー

これで二つの書体の形がイメージできたかと思います。
それでは看板・標識における書体を選ぶ際の注意点について考えてみましょう。

看板・標識は、見やすさが一番大事

看板のデザインを考える時、明朝体とゴシック体どちらを使うかに関わらず一番大事なことは「見やすさ」です。
看板標識には視覚情報サインとして、通行人や利用者を誘導や案内する役割がありますので何より読みやすい、見やすいことが大切です。

一見するとどちらも看板・標識に使用するのに適していそうですが、 なぜ、ゴシック体の方が目にすることが多いのでしょうか。

それは、看板・標識という特性に大きく関係してきます。

看板の特徴

看板標識は屋外で使用されることも多くあります。長年使用していると雨やホコリ、排気ガスなどにより看板板面が汚れてきたり、印刷にかすれ、にじみが出てくる場合があります。

また、看板や標識は印刷物のように手にとって至近距離から見るとは限りません。離れた場所から見ることも多いので、高齢者や視力の弱い人はボヤけて見えるかもしれません。
そんな時でもゴシック体の方が見えやすいと言われています。

試しに、明朝体とゴシック体で同じ文字をぼやかして見て、どのように見えるかをテストして見ましょう。

フォトショップでぼかしのガウスをかけてみました。

新ゴ ファミリーをぼかしたもの

リュウミン ファミリーをぼかしたもの

明朝体の文字は横棒が細いので、ぼやかしてしまうと読みづらくなります。
ゴシック体は横棒も太いので、消えてしまうことはありませんが、太ゴシック体は線と線の間が分かりづらくなってしまい、かえって読みづらくなってしまいました。
ちょうど良いのは新ゴのMやRあたりではないでしょうか。

まとめ

看板・標識の製作にゴシック体が使われているのは、多少、ぼけて見えてたり、かすれてしまった場合もゴシック体の方が視認性が高く、誤認性が低いとされているからです。

様々な人が行き交う街中や施設のサインインフォメーションにはユニバーサルデザインの観点からも適度の太さのゴシック体が一般的に使用されています。

いかがでしたでしょうか。
今日のお話はどちらかと言うと看板よりも標識よりのお話でしたが、 遠くからでも見える、雨や夜間、多少汚れても読みやすさを確保するというのは看板・標識ならではの着眼点ではないでしょうか。

看板の文字の大きに関する記事と合わせて、 看板を作成する際、標識を設置する際にぜひ、ご参考ください。